終身保険とはどんな保険か?

生命保険

終身保険は、死亡および高度障害状態になった場合に保険金が受け取れ、その保障が一 生涯続く死亡保険です。

※保険金の受取対象となる「高度障害状態」とは、両眼の視力を全く永久に失う、言語またはそしゃくの機能を全く永久に失うなどの状態を言い、被保険者が責任開始期以後の病気やケガを原因としての所定の障害状態に該当した場合は、死亡保険金と同額の高度障害保険金が受け取れます。通常、高度障害保険金を受け取ると契約は消滅し、 その後死亡しても死亡保険金は受け取れません。

保障は一生涯ですが、保険料の払込期間は終身払いだけでなく、60 歳や 65 歳などで終了する短期払いや、一時払いも可能です。他の条件が同じであれば、保険料は短期払いよりも終身払いのほうが安くなります。

保障期間が一生涯(終身)ということは、中途解約をしない限りいつか必ず保険金が支払われるということです。このため保険会社はまとまった額の責任準備金を積み立てています。

責任準備金とは、保険会社が将来の死亡保険金あるいは満期保険金の支払いに備えるお金のことで、保険業法で積み立てが義務づけられています。

終身保険の特徴としてよく「貯蓄性がある」と言われますが、これは一生涯の保険でありながら、一定期間経過後の解約であれば、ある程度まとまった金額の解約返戻金(責任準備金のなかから捻出される)が手元に戻ってくるためです。

しかし、最近では予定利率の低下により、解約返戻金もそれほど期待できなくなっています。 予定利率というのは、保険会社が契約者に対して契約時に約束している利回りのことで、一般的には保険期間中ずっと適用されることになっています。

20年超の保険期間を有する保険の予定利率の推移を見ると、20年ほど前には5.5%であった予定利率は現在 1%程度にまで 下落しています。

「1%ならまだ預貯金よりもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、 ここで気をつけなければいけないのは、予定利率とは保険料全額ではなく、保険料から必要経費(付加保険料部分)を差し引いた、責任準備金として積み立てられる部分の運用利回りのことで「預貯金の金利とは異なる」ということです。

また、予定利率が高いということはそれだけ高い利回りの運用が可能ということなので、 契約者に対する保険料の割引率も高くなります。これに対して、予定利率が低いということは運用の成果が見込めないということを意味するので、保険料の割引率も低くなります。

例えば終身保険 1,000 万円にかかる総保険料を比較すると、20年前の加入だと約280 万円でしたが、現在だと約650万円が必要になります。

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